うにだんごちゃんの最近の日課は朝起きて、お気に入りのカフェに寄ること!
雪の積もった朝のこんな日に、ちょっとお散歩してからあつ〜いコーヒーを飲むのはとびきり贅沢でしょう?
ここでいつものワンちゃんにオーダーした食べ物を分けてあげたり、ウェイトレスさんとお話ししたり・・
その頃、るるおばあさんは相棒の白い鳥、ぺぺちゃんを連れてお散歩中に見慣れぬ道をうろうろしていました。
いつもの森で道を間違えてしまったようです。
「まったく困ったもんだ・・どうしたもんかねえ。 最近方向感覚がめっきり衰えてきてる気がするよ。」
「お腹もへってきたことだし。あ、あそこに何かあるようだ。」
「ペペ、見えるかい?」
あ、新しい人が来てる!しかも可愛い白い鳥も!
ここは常連さんが多いから、珍しいな。
なにやらおばあさんはもめているよう。
良く聞いてみると・・
「ちっ 気付いたら財布にゃ1円玉と10円玉しか入ってないよ。」
ウェイトレスさんに
「あんた、あたしゃ今払えるお金がこれっぽっちもなくてね、でも見ての通り、この子はおなか減ってるし、あたしももう力が出ないし・・」
「悪いけど今度また来るからその時の支払いでもいいかい?」
ウェイトレスさんは困ったように
「すみませんが、お支払いはしていただかないとオーダーはお断りしておりますが。」
「だからさ、そこを何とかって頼んでるんじゃないの。
まったく最近の若者は気が利かないねえ!
金さえ払えばいいってことかい。昔はみんな貧しかったけどもっと優しかったよ。」
散歩の疲れとおなかがすいているのとでおばあさんはイライラして ついそう漏らしました。
なかなか手ごわそうなおばあさんですが・・。
うにだんごちゃんはいいことを思いつきました!
この時、白い鳥が気になって気になって、
何としても話しかけなくてはならない気分だったのです。
「あのう・・わたしこれからここのカフェの人気メニューのアボブロサンドを頼む予定なんですけど、
一緒に食べませんか?
宜しかったらドリンクも一緒に・・。」
と恐る恐る話しかけてみました。
「いいのかい?あんたずいぶん丸い顔してるけど優しい子だねえ。
じゃ来たら遠慮なくいただくことにするよ。
飲み物はホットココアにしとくよ、甘さがあるやつだとなおいいね。」
ちょっぴり口の悪いるるおばあさんはそれでも精一杯の褒め言葉で答えました。
出来あがったうにちゃん大好物のアツアツのアボブロサンドイッチ!
アボカドにブロッコリーがたっぷり!
そして大サービスの厚ぎりフライドポテトが自慢です。
それからしばらくするとるるおばあさんのあまーいホットココアと
うにだんごちゃんおかわりのコーヒーが運ばれてきました!
「ぺぺちゃんかあ 可愛いなあ たくさん食べてね。」
「 この子はねえ、一羽だけなぜか白かったんだよ。
だから仲間と一緒に狩りをしても目立ってしまって
獲物に逃げられてしまうし、動きものろいから仲間外れにされてしまったんだ。」
「なんてったって目立つもんだからあたしゃ知ってたよ。」
「そんな時いつものように森を歩いているとあの白い鳥がばったりと倒れてるじゃないか。
あたしゃ慌てて近寄ったよ。」
こんなにやせ細っちまって・・ でもまだかすかに息をしているようだ!
「野生だったこの子はなかなかわたしに慣れなくてねえ おなかは減ってるはずなのに興味を見せないし。」
「お互いそれとなく様子を探る日が続いたよ。 餌は私の前では食べる気配がなかったんだけど、
毛虫や米粒やらいつの間になくなっていて・・。」
最初はるるおばあさんからもらった食べ物は彼女がいなくなったところで食べていたペペ。
うすうす自分の命を助けてくれたのだと分かっていたので、仕方ないと思いつつ少しづつ気を許すようになっていった。
「ペペの食欲が回復して元気に飛び回れるようになった時には本当にほっとしたよ。」
「そ・・そうだったの ぺぺちゃん。」
「見かけがちょっと違うのも、他と変わってたりするのも神様からいただいた個性だよ。 だから誇りを持つんだよ。
そりゃつらいこともあるかもしれないけど、なにも恥ずかしがることはない。
とにかく胸をはって堂々としてるのさ、持っている個性を大切にするんだ。
自分だけは自分の味方でいてあげないと。その個性がいつか役に立つ時が来るかもしれないしね。」
「ただ・・いつか野生に戻れれば一番いいんだけどねえ・・
この子もまだ小さいし、しばらくは
このまま力をつけて元気でいてくれたらと願うばかりだね。」
「ほら、ぺぺ 残しちゃダメだよ。ちゃんとタッパーで持って帰りな。
自分の世界で生きるのがいかに大変か分かってるんだったら
食べ物を粗末にしちゃいけないよ。」
「それに、せっかくこのお嬢さんのご好意でいただいているんだから・・。」
「さあ 私達 そろそろ行かなくちゃ・・いやあご馳走になってしまったね。お嬢さんの名は?」
「うにだんごです。」
「そう、うにだんごちゃん、今度是非うちに遊びに来なさい。
たいしたおもてなしは出来ないけど、ぺぺにも会えるし・・。
”あべこべ森”にある郵便局のすぐ近くだよ。ちっとばかし屋根が傾いた家だからすぐ分かるよ じゃまたね。」
「またね!」一生懸命に手をふるうにだんごちゃん。
いつか野生に戻らなくちゃいけない日が来るのかもしれないけど・・
カフェで出会って以来、わたしとぺぺちゃんはすこしづつうちとけてきて
お互いにかけがえのない存在になっている。
ぺぺちゃん、そうだよね?
ね そうだよね?ぺぺちゃん。
雪の積もった朝のこんな日に、ちょっとお散歩してからあつ〜いコーヒーを飲むのはとびきり贅沢でしょう?
ここでいつものワンちゃんにオーダーした食べ物を分けてあげたり、ウェイトレスさんとお話ししたり・・
その頃、るるおばあさんは相棒の白い鳥、ぺぺちゃんを連れてお散歩中に見慣れぬ道をうろうろしていました。
いつもの森で道を間違えてしまったようです。
「まったく困ったもんだ・・どうしたもんかねえ。 最近方向感覚がめっきり衰えてきてる気がするよ。」
「お腹もへってきたことだし。あ、あそこに何かあるようだ。」
「ペペ、見えるかい?」
あ、新しい人が来てる!しかも可愛い白い鳥も!
ここは常連さんが多いから、珍しいな。
なにやらおばあさんはもめているよう。
良く聞いてみると・・
「ちっ 気付いたら財布にゃ1円玉と10円玉しか入ってないよ。」
ウェイトレスさんに
「あんた、あたしゃ今払えるお金がこれっぽっちもなくてね、でも見ての通り、この子はおなか減ってるし、あたしももう力が出ないし・・」
「悪いけど今度また来るからその時の支払いでもいいかい?」
ウェイトレスさんは困ったように
「すみませんが、お支払いはしていただかないとオーダーはお断りしておりますが。」
「だからさ、そこを何とかって頼んでるんじゃないの。
まったく最近の若者は気が利かないねえ!
金さえ払えばいいってことかい。昔はみんな貧しかったけどもっと優しかったよ。」
散歩の疲れとおなかがすいているのとでおばあさんはイライラして ついそう漏らしました。
なかなか手ごわそうなおばあさんですが・・。
うにだんごちゃんはいいことを思いつきました!
この時、白い鳥が気になって気になって、
何としても話しかけなくてはならない気分だったのです。
「あのう・・わたしこれからここのカフェの人気メニューのアボブロサンドを頼む予定なんですけど、
一緒に食べませんか?
宜しかったらドリンクも一緒に・・。」
と恐る恐る話しかけてみました。
「いいのかい?あんたずいぶん丸い顔してるけど優しい子だねえ。
じゃ来たら遠慮なくいただくことにするよ。
飲み物はホットココアにしとくよ、甘さがあるやつだとなおいいね。」
ちょっぴり口の悪いるるおばあさんはそれでも精一杯の褒め言葉で答えました。
出来あがったうにちゃん大好物のアツアツのアボブロサンドイッチ!
アボカドにブロッコリーがたっぷり!
そして大サービスの厚ぎりフライドポテトが自慢です。
それからしばらくするとるるおばあさんのあまーいホットココアと
うにだんごちゃんおかわりのコーヒーが運ばれてきました!
「ぺぺちゃんかあ 可愛いなあ たくさん食べてね。」
「 この子はねえ、一羽だけなぜか白かったんだよ。
だから仲間と一緒に狩りをしても目立ってしまって
獲物に逃げられてしまうし、動きものろいから仲間外れにされてしまったんだ。」
「なんてったって目立つもんだからあたしゃ知ってたよ。」
「そんな時いつものように森を歩いているとあの白い鳥がばったりと倒れてるじゃないか。
あたしゃ慌てて近寄ったよ。」
こんなにやせ細っちまって・・ でもまだかすかに息をしているようだ!
「野生だったこの子はなかなかわたしに慣れなくてねえ おなかは減ってるはずなのに興味を見せないし。」
「お互いそれとなく様子を探る日が続いたよ。 餌は私の前では食べる気配がなかったんだけど、
毛虫や米粒やらいつの間になくなっていて・・。」
最初はるるおばあさんからもらった食べ物は彼女がいなくなったところで食べていたペペ。
うすうす自分の命を助けてくれたのだと分かっていたので、仕方ないと思いつつ少しづつ気を許すようになっていった。
「ペペの食欲が回復して元気に飛び回れるようになった時には本当にほっとしたよ。」
「そ・・そうだったの ぺぺちゃん。」
「見かけがちょっと違うのも、他と変わってたりするのも神様からいただいた個性だよ。 だから誇りを持つんだよ。
そりゃつらいこともあるかもしれないけど、なにも恥ずかしがることはない。
とにかく胸をはって堂々としてるのさ、持っている個性を大切にするんだ。
自分だけは自分の味方でいてあげないと。その個性がいつか役に立つ時が来るかもしれないしね。」
「ただ・・いつか野生に戻れれば一番いいんだけどねえ・・
この子もまだ小さいし、しばらくは
このまま力をつけて元気でいてくれたらと願うばかりだね。」
「ほら、ぺぺ 残しちゃダメだよ。ちゃんとタッパーで持って帰りな。
自分の世界で生きるのがいかに大変か分かってるんだったら
食べ物を粗末にしちゃいけないよ。」
「それに、せっかくこのお嬢さんのご好意でいただいているんだから・・。」
「さあ 私達 そろそろ行かなくちゃ・・いやあご馳走になってしまったね。お嬢さんの名は?」
「うにだんごです。」
「そう、うにだんごちゃん、今度是非うちに遊びに来なさい。
たいしたおもてなしは出来ないけど、ぺぺにも会えるし・・。
”あべこべ森”にある郵便局のすぐ近くだよ。ちっとばかし屋根が傾いた家だからすぐ分かるよ じゃまたね。」
「またね!」一生懸命に手をふるうにだんごちゃん。
いつか野生に戻らなくちゃいけない日が来るのかもしれないけど・・
カフェで出会って以来、わたしとぺぺちゃんはすこしづつうちとけてきて
お互いにかけがえのない存在になっている。
ぺぺちゃん、そうだよね?
ね そうだよね?ぺぺちゃん。